いつまでも解消せず長期化する鼻づまり
鼻づまりが続くとさまざまな問題が生じます
「鼻がすっきりせず、勉強や仕事に集中できない」「呼吸が苦しく、よく眠れない」「口呼吸のせいで、スポーツのとき、思うようなパフォーマンスを発揮できない」など、多くの人たちを悩ます鼻づまり。命に関わる症状ではないことから、医院・病院を受診せずに我慢している人も多いようです。寝不足や集中力の低下の原因となりますし、口呼吸が続くと、口腔内が乾燥します。唾液には、抗菌作用など口の中を清潔に保つ働きがあるため、唾液量が減ると、虫歯や歯周病が悪化したり、口臭の原因になったり、吸い込んだウイルスが喉の粘膜に張りついて感染しやすくなったりするなど、健康リスクが高まることが知られています。
集中力の低下
睡眠の質の低下
口呼吸になる
原因によっては、薬だけでは治らない可能性も
検査し、適切な治療を行うことが大切
風邪・花粉症など、さまざまなきっかけで鼻づまりを経験されたことがある方は多いのではないでしょうか。一時的に鼻の粘膜が腫れているだけでしたら、風邪薬や抗アレルギー薬などを飲めば鼻づまりは解消が見込めます。しかし、しばらく薬を使っても、鼻づまりが治ったような気がしない、あるいは、ずっと鼻がつまっていて鼻が通った状態がわからないという方もいらっしゃいます。実は、そもそも鼻の構造に問題があることも多いのです。
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左右の鼻の通り道の間にある鼻中隔という壁が曲がっている(鼻中隔弯曲症)
鼻中隔は骨と軟骨でできた壁が芯になっています。骨と軟骨の歪みが原因なので、薬を飲んでも治ることはありません。この鼻中隔の曲がりは決して珍しいものではありませんが、鼻の中を検査しないとわからないので、理由を知らずに長年鼻づまりに悩んでいらっしゃる方が多くいらっしゃいます。
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鼻の粘膜が薬では抑えきれないほど腫れ上がっている(肥厚性鼻炎)
アレルギー性鼻炎が長年続くと、鼻の粘膜、特に下鼻甲介の粘膜が腫れてしまい、鼻が詰まることが知られています。また、市販の点鼻薬(血管収縮薬)を使い続けていると、副作用で鼻の粘膜が腫れることが知られています。アレルギー性鼻炎の内服薬や点鼻薬を使うと、一時的に鼻の粘膜の腫れが引くこともありますが、根本的に治るわけではありません。
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鼻の通り道がポリープで塞がっている(鼻茸)
慢性副鼻腔炎や気管支喘息の患者さんの中には、鼻の中の粘膜がお餅のように膨らみ、ポリープが空気の通り道を塞いでいる方がいらっしゃいます。ポリープは一旦できてしまうと、なかなか薬で小さくすることは難しく、内服を続けていても鼻閉が改善しません。
鼻づまりが長期に続くようであれば耳鼻咽喉科で一度詳細に検査をし、原因を特定することをお勧めします。
鼻づまりの検査
CT検査
内視鏡検査
鼻の中に内視鏡を入れ、内部を撮影します。鼻中隔が歪んだり、粘膜が腫れたりしていないか、副鼻腔から鼻汁が垂れてきたり、鼻茸(ポリープ)ができたりしていないかなどを調べるのに用います。当院の内視鏡は直径2.6mmとかなり細いためお体への負担も軽く、高画質デジタル映像で保存されるため、鮮明な画像で病状を確認することができます。