眠りが浅く朝起きてもスッキリしない、いびきがうるさい
睡眠時無呼吸症候群かも
眠っている間に、十分な量の呼吸ができていないことを、睡眠時無呼吸症候群といいます。睡眠中に何度も息が止まるので、眠りが浅くなり、朝起きてもスッキリしない、日中も体がだるいなどの症状を引き起こすことが知られています。
日中に感じる主な症状
- いつも眠い
- 頭痛やだるさが続いている
- そのせいで仕事に集中できない
就寝中に感じる主な症状
- 大きないびき
- 眠っている最中に呼吸が止まる
- 苦しくて目が覚める
睡眠時無呼吸症候群の原因と症状
原因はいろいろありますが、肥満のため首回りの脂肪が多くノドの通り道が狭かったり、寝ている間に舌の根元がノドに落ち込んでしまったりして、空気の通り道を塞いでしまう、閉塞性睡眠時無呼吸症候群が挙げられます。また、そもそも脳から呼吸をしろという命令が肺の方へ届かなくなる中枢性睡眠時無呼吸症候群もあります。
いずれにせよ、名前の通り、睡眠中に無呼吸が続く状態、すなわち、鼻や口を塞がれているのと同じような状態が続くのと同じです。息をこらえると、1分もしないうちに心臓がドキドキして苦しくなりますよね。これと同じことが続くわけですから、寝ている間に、心臓や血管に大きな負担がかかることが容易にご理解いただけると思います。これを5年、10年と続けると、命に関わる重篤な疾患のリスクを高めてしまいます。心臓・脳などの血管を痛め、心筋梗塞、脳梗塞などのリスクを高めてしまったり、体全体の血管を痛め高血圧症を引き起こしたりすることが知られています。また、代謝に関わるホルモンも影響を受け、糖尿病の発症リスクも上がるといわれています。
睡眠時無呼吸症候群の検査
睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、ご自宅でできる簡易検査を実施します。受診時に検査日をご指定いただき、その日にあわせて、ご自宅へ腕時計型の検査機器をお送りします。一晩だけ装着してお休みいただきます。睡眠中、酸素の吸い具合やいびきの回数などのデータが自動的に腕時計型の検査機器に記録されます。起床後、検査機器を箱に詰め、コンビニなどから宅急便で検査センターへ送り返していただきます。検査結果は当院へ送られてきます。睡眠時無呼吸症候群の程度が数値化され、重症度が一目でわかります。その重症度に応じて、どのような治療が適切かを医師がご説明します。また、重症度の程度によっては、さらに、病院に入院して行う精密検査が必要な場合もあります。
睡眠時無呼吸症候群の治療
最近のCPAPの機械は優秀で、使用状況などのデータを自動的に検査センターに送ります。当院では、コンピュータ上に保存された、それらのデータを毎月管理させていただいております。治療開始後しばらく、CPAPに慣れるまでは毎月当院に通っていただきますが、しっかりご使用いただけるようになりましたら、オンライン診療に移行し、3ヵ月に1回の通院で済むようになります。その間も、当院のコンピュータから、オンラインでCPAPの使用状況を毎月チェックしています。また、CPAP治療と並行して生活習慣を改善したり、睡眠を阻害している他の要因を取り除いたりして、状態の改善を図ります。例えば、鼻づまりがひどく、ぐっすり眠れない場合は、鼻閉を改善するための手術をお勧めしたり、扁桃が肥大している場合は扁桃摘出術をお勧めしたりすることもあります。その他、口腔内装置(マウスピース)を作製するために、歯科口腔外科をご紹介する場合もあります。